成果を生むのは2割?
会社でパレートの法則を活用

 企業や組織に貢献している人は全体のわずか2割で、残りは普通にこなしている人が6割、サボっていて売り上げなどに全く貢献していない人が2割程度いる「働きアリの法則」というものがあります。

 その割合から「2-6-2の法則」とも呼ばれていますが、これに似た法則に「パレートの法則」があります。

 これは、「結果の8割は、全体の2割の要素によって生み出されている」という法則で、「2対8の法則」や「80対20の法則」とも呼ばれています。

 19世紀の後半に、イタリアの経済学者、ヴィルフレド・パレートが、イタリアの土地の8割を、全人口の2割にすぎない富裕層が所有していることに着目し、提唱したとされています。

 この法則をビジネスに当てはめてみます。

「パレートの法則」を活用する考え方

・会社の業績の8割は、2割の社員によってもたらされている
 どの社員の貢献度が高いかを把握し、貢献度が低い社員に関しては、現在の部署が適材適所になっているのか、なぜ貢献できていないのかをチェックする機会にできる。

・売り上げの8割は、2割の顧客によってもたらされている
 優良顧客を特定し、特典を付与したり丁寧な対応を心がけたりすることで、離さないようにする施策のヒントにできる。

・売り上げの8割は、2割のヒット商品によってもたらされている
 全ての商品がバランスよく売れるということはないため、売れ行きが良い商品を強くプッシュするとか、売れ行きが悪い商品の原因を分析するなどのきっかけになる。

・やるべき仕事の2割をこなせば、8割できたのと同じ
 終わらせるべきタスクの中で、カギを握る2割程度の部分を終えれば気持ちが楽になる。あるいは、残りの作業もはかどる。たとえば、書籍の執筆で言えば、目次を完成させれば全体像が見え、何かの新規プロジェクトで言えば、キーマンを賛同者にしたり、予算を確保できたりするだけで、前へ進めやすくなる。

 このように、「パレートの法則」を使えば、「重要な2割」を発見することができます。

 そうすれば、優先順位を決めたり、力を入れて取り組むべきタスクが明確になったりするので、作業の効率化や人事戦略、マーケティングなどもしやすくなります。