私事だが、このゴールデンウィークに「ルミネtheよしもと」でテレビでよく見かける人気芸人が多数出演する「GW特別興行」というのを観てきた。トレンディエンジェルなど腹がよじれるほど笑ったが、他の芸人さんたちも、契約解除となった令和ロマンの高比良くるまやジャンポケ斎藤に関する「ネタ」を放り込んできたり、テレビで見るよりもはるかに生き生きとお笑いをやっていたように見えた。
客は「数字」でしかない「広告ビジネス」のテレビより、「客」から直接対価を得るビジネスモデルの方が、作り手側は制約が少なく、コンテンツの質にこだわることができるのだ。
よくテレビや新聞で働いている人々は「コンプラ、コンプラと息苦しい世の中でやってられないよ」と愚痴を言っているが、実は息苦しいのは何かの法令のせいではない。「自由な表現がしたい」という志をもって、この世界に飛び込んだのに知らず知らずのうちに「広告ビジネスの奴隷」に身を堕としてしまっているからではないか。
(ノンフィクションライター 窪田順生)
