ご存じのように近年、テレビや新聞は「オワコン」と世間の風当たりが強い。コンプラにがんじがらめでコンテンツがつまらない。ドラマやバラエティのキャスティングが大手芸能事務所への忖度で毎回同じ。「ネットやSNSはデマばかり」とディスるわりには、自分たちが扱う情報はあまりに偏っている……などなど、さまざまな批判を浴びて視聴者や読者にそっぽを向かれ、最近は「メインターゲット」だった高齢者からも見放されつつある。

 そんな青息吐息のオールドメディアからすれば、「テレビが生んだスター」の象徴だったダウンタウンが自前でニューメディアを立ち上げるというだけでも心中穏やかではない。しかも、松本人志さんにいたってはテレビや新聞も「えー、我々は取材してませんが、文春の早刷りによりますと」という“コピペ報道”によって社会的に葬り去った人だ。

 そんな「市民裁判でクロとされた芸能人」が中心となって新しい形でコンテンツを生み出し、それが商業的に成功してしまうようなことがあれば、オールドメディアの面子は丸潰れだ。テレビや新聞の読者・視聴者はもちろん、テレビ局や新聞社で働いている人たちもこう思う。

「ああ、私たちってオワコン、オワコンって言われていたけれど、いよいよ本格的にオワコンなんだな」

 最近のフジテレビのアナウンサーのように、高い競争率を勝ち抜いて入社した若者がどんどん離職をする。あるいは二匹目のドジョウを狙って似たようなニューメディアが立ち上げられ、第一線で活躍していたディレクターなどもどんどんそちらに流出する。ちょっと前、「不適切にもほどがある!」を手掛けたプロデューサーの磯山晶さんがTBSを退職し、Netflixと契約を結んで話題になったが、そのような動きがさらに活発になる可能性がある。

 つまり、「ダウンタウンチャンネル(仮)」はオールドメディアのオワコン化にトドメを刺してしまう可能性があるのだ。

「ダウンタウンチャンネル(仮)」は
松本人志が仕掛けるテレビへの復讐劇!?

「たかがお笑い芸人の定額サブスクサービスができるくらいで話を大袈裟にするな!」と不快になる人もいらっしゃるかもしれない。