主役が入れ替わっていく!?朝ドラ『あんぱん』が描く“逆転する正義”の行方【第24回レビュー】『あんぱん』第24回より 写真提供:NHK

日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第24回(2025年5月1日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)

猛ダッシュで
のぶが向かった先は?

 女子師範学校に入学したのぶ(今田美桜)が休暇で御免与町に帰って来た。

 蘭子(河合優実)と岩男(濱尾ノリタカ)が結婚すると聞いて、矢も盾もたまらず猛ダッシュ。

 団子屋の前でまったり語らっていた嵩(北村匠海)と千尋(中沢元紀)の前を風のように駆け抜けていく。あっけにとられる嵩。まるで嵩の描く漫画のような展開である。

 のぶが駆けつけたのは、喫茶店。そこで蘭子と岩男がお茶をしていた。御免与町にも洒落た喫茶店があったのだ。パン屋もあるくらいだから、あるんだろう。

 そこで、のぶは蘭子に「早まったらいかん」と説得する。

「それじゃまるで蘭子さんが好きでもない男と金目当てで結婚するみたいじゃないか」と岩男が憤慨すると、「そうだ」と容赦がない。さらにそこへメイコ(原菜乃華)もやって来て、パン食い競走のとき、ズルをしたので「食パンの角に頭ぶつけて死んでしまえ!」と揶揄していたと暴露する。