「眠れない人」が寝室で無意識にやっているNG習慣とは?【睡眠研究の第一人者が解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

健康的な生活を送るために欠かせないのが、良質な睡眠だ。しかし、忙しいビジネスパーソンがついついやりがちな生活習慣が、眠りの質を下げているかもしれない。睡眠研究の第一人者が、快眠のためのメソッドを授ける。※本稿は、櫻井武『睡眠と覚醒をあやつる脳のメカニズム~快眠のためのヒント20~』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。

日中に脳も体も使うことで
夜に眠気がもたらされる

 朝、光を浴びて体内時計がリセットされると、平均的な成人であれば、眠くなるのは約16時間後くらい。

 朝7時に起きたのであれば、夜11時以降に「眠くなってきた」と感じる。ただ、体内時計だけが睡眠と覚醒のコントロールを行っているわけではない。「睡眠圧」という眠りへの欲求――いわゆる“眠気”も必要だ。体温やホルモンの分泌などを通じて体内時計がつくる覚醒と睡眠のリズムに加え、覚醒中に“眠気“が蓄積することによって睡眠のタイミングが決まる。

 経験的にわかる方も多いだろうが、体も頭も使わずにぼんやり過ごした日はなかなか眠くならないし、逆に、頭をフル回転させ、忙しく過ごした日はあっという間に眠りが訪れる。

 眠気がおきるためには、心身の適度な疲れが必要だ。日中は集中力や注意力を高め、脳を積極的に使っていこう。もちろん、体を動かすのもいい。体を動かすのも脳なのだ。ただし、激しい運動は夕方までにすませておこう。

「いい昼寝」とは
30分以内の短い仮眠

 寝不足になりがちな現代人にとって、昼寝をして、不足した睡眠時間を補うことは決して悪いことではない。