小さな眠気のピークが訪れ、同時に昼食を食べたあとだと血糖値が上がるため眠くなる。生理的に眠たくなる時間帯なのだから、そこで短い仮眠をとるのはとても合理的だと思う。

 逆に、この時間帯に無理して起きていて、帰りの電車の中や帰宅直後にうたた寝をすると、睡眠圧が低下してしまう。

 それが夜、眠れなくなったり、最初に訪れる睡眠周期でのノンレム睡眠が浅くなったりしてしまう原因につながる。

 適切な昼寝をすると、認知能力や判断力、注意力が高まるといった研究報告は数多くある。しかしそれは「眠気」を払うためのものであり、睡眠としての役割はきちんと夜の睡眠をとることで果たされる、ということを理解しておこう。

夕方以降のカフェインは
できるだけ控えよう

 終わらない仕事を前に、コーヒーやエナジードリンクを飲んで気合いを入れて残業……という生活を送っている人も少なくないだろう。

 が、できる限り、夕方以降のカフェイン摂取は控えたほうがいい。カフェインの影響には個人差はあるが、カフェインの血中濃度は摂取してから30分~2時間程度で最大になり、効果が半分になる時間(半減期)は2~8時間と幅があり、かつ長い。

 もし、仮に半減期が6時間だとしたら、夕方5時にオフィスで飲んだコーヒーの影響は夜11時の段階でもまだ半分残っている。夜9時すぎに夕飯を食べて、食後にコーヒーを飲みながら「寝る前のリラックスタイム」と思っているその習慣が眠りを妨げていることになる。

飲みものに含まれるカフェインの量同書より転載 拡大画像表示