ただし、昼寝をするタイミングと長さがポイントとなる。それによって、眠気を解消して作業効率を高める「いい昼寝」(パワーナップ)にもなれば、夜の睡眠を妨げる「悪い昼寝」にもなる。
昼寝と夜間の睡眠は別のものだと考えておこう。昼寝は睡眠不足からくる「眠気」を払うためのものであり、その結果パフォーマンスアップが期待できる。
夜の睡眠は、脳のメンテナンスである。
ノンレム睡眠には浅い「N1」から深い「N3」まである。寝入ってすぐにノンレム睡眠に入るのだが、昼寝でN3の深さまで到達してしまうと、「睡眠圧」が下がってしまい、本来心身のメンテナンスをするための、夜の睡眠で深い眠りが出にくくなってしまう。
またそれだけではなく、昼寝でいったんN3までの睡眠深度に到達してしまうと、目覚めたあとのパフォーマンスは低下した状態になる。こうした睡眠から覚醒への切り替えがうまくいかず、気分がすぐれなかったり、体がだるかったりする状態を「睡眠慣性」と呼ぶ。
昼寝はN2程度までにとどめておくべきだ。N2でもある程度、眠気解消に役立つ。寝つくのに5分かかるとして、N1は数分で終わり、N2がだいたい10分程度であることを鑑みると昼寝の時間は20分がベスト、長くても30分。ダラダラと長く寝てしまうことだけは避けよう。

昼寝をするなら
午後2~3時に
昼寝の時間は「ベストは20分程度。長くても30分」。そして、そのタイミングは「午後2時~3時」がおすすめだ。
そもそも、午後2~3時は体内時計の影響で、覚醒を維持する力が弱まっている。