とにかく最初は相手に合わせて早く話します。そこで相手にとってこちらは敵ではなく味方だと思ってもらいます。
次に話すスピードをだんだん遅くしていきます。そうすると、相手が今度はこちらの話すペースに合わせてくれるようになってきます。相手との間に信頼感が生まれるからです(これを同調といいます)。
そして、落ち着いたトーンで会話ができるようになっていきます。
この話すスピードはさまざまなことに活用できます。
相手の話すペースに合わせた
営業マンは好成績をあげている
以前、高い売り上げを上げている営業職と、売り上げがなかなか上がらない営業職の人を調べたことがあります。そのときに興味ぶかいことがわかりました。
それは、売り上げが高い営業職の人は、相手に合わせて話すスピードを変えていたのです。
実際に営業をしている最中の音声を録音させてもらい、どう違いがあるかを分析しました。すると、売り上げが上がらない人は自分のペースで話している人が多いということがわかりました。
一方で、売り上げが高い人は、人によって毎回話すスピードを変えている人が多かったのです。

西 剛志 著
そこで、成績が悪い営業職の人にも「相手のペースに合わせて話をするように心がけてください」とお願いして実践してもらったところ、驚くことにたったそれだけで10~20%も営業成績が上がりました。
話すペースをただ合わせただけで、です。
これならば、すぐにでも真似できますよね。
コミュニケーションでは、言葉(言語)以外の部分、いわゆる非言語の影響が大きく左右します。
上司と部下のコミュニケーションがうまくいってないと感じるならば、上司は部下の話すスピードに合わせて話をしてみてください。
夫婦関係や親子関係がうまくいってないと感じたならば、相手の話すペースを意識して、会話をしてみてください。