そもそもその前の、相手の言葉にも注目してみましょう。「横浜で学生やってます」って、本当でしょうか。この時点で疑うのはいじわるじゃないか、と思う人がいるかもしれませんが、そんなことはないのです。
横浜じゃないかもしれないし、学生じゃないかもしれない。横浜も学生も両方うそで、本当は大阪の会社員かもしれません。
それに、文章の雰囲気から、相手は男性、と思う人が多いかもしれません。でも、女性の可能性もありますよね。物事の最初から「本当?」と疑ってかかるのは難しいですし、人には案外、思いこみがあるのです。
相手に抱く思いこみには
さまざまなリスクがある
会話に限らず、さまざまな物事について、事前に100%正確な情報を得ることはできません。だから私たちは、今までの自分自身の経験や、ひとまず得られている情報から、起きている出来事を推測していくわけです。そのときに思いこみが入ります。それは決して悪いことではありません。
なぜなら、少しずつ自分なりに推測していくことで、相手とのコミュニケーションは図られる面があるからです。
たとえば、「○○さんは以前、自分の服装について何か言われるのがいやだって言ってたから、ファッションの話はしないようにしよう」と気をつかったりしますよね。実際の○○さんは、自分のことを言われるのがいやなだけで、ファッションの話題自体は好きかもしれない。
でも、そうやって気にかけることで、相手との関係が円滑に進むことは多いのです。
ただ、こうした思いこみや推測が、時にリスクにもなり得るということは覚えておいて損はないでしょう。やりとりをしている時点で、相手をあやしむことは少ないと思います。もちろん、つねに疑えと言っているわけではありません。でも、安心できる相手だとか、この人は大丈夫、と思ってしまうことによって、見えなくなることがあるのです。
見知らぬ相手とSNSでやりとりをするときには、相手の言っていることが本当か否か、いったん立ち止まって十分に検討するようにしましょう。安易に自分の個人的な情報や経験を伝えないようにすべきです。