これをアイメッセージにしてみるわよ。
「アナタは間違っていると、私は思う」「アナタは自己中心的だと、私は思う」
なんだかイマイチね。これは言い方を変えただけで、ユーメッセージだからよ。「私は○○だと思う」をつけても、相手を決めつけている構造は何も変わっていないの。
大切なのは「決めつけない」ことよ。相手の行動を具体的に示して、自分はどう感じるのかを伝える。これが「アイメッセージ」を活用する時に必要な考え方になるの。
たとえば、頼み事に着手してくれない夫に「ユーメッセージ」で話す例を紹介するわ。
「ずいぶん前に頼んだのに、(アナタは)どうしてやってくれないの?」
この言葉を受けとった相手は、「片づけよう」と行動を起こすよりも、言われたこと自体にネガティブな印象を受けるのではないかしら。
一方で、「アイメッセージ」で話すと、次のようになるわ。
「こんな風に頼み事を放置されると、(私は)少し悲しくなるよ」
「もっと早く着手してくれると、(私は)うれしいな」
このように、ポジティブに言いかえる方法もあるわ。ただ、あまりソフトに言いかえると、相手がまったく気にしない可能性もあるから、時と場合によって使い分けたいわね。
精神科でも使われている
「枠組み設定」とは?
「枠組み設定」は精神科医としてのテクニックよ。患者さんに定期的に受診していただいたり、お薬の量を守っていただいたりするから、患者さんとの治療関係には一定のルールがあるの。
そのため、最初に必要なルールを明示して、「それが守られないと治療できませんよ」と約束をして、「枠組み」を設定しているの。
自己中心的な人と接する場合は、相手の行動で許容できないことは先に伝えておき、それが守られなければ対応しないとはっきり言っておくの。
たとえば、「○日までに対応してもらわないと、その先を私が対応できないから、自分で進めてもらうことになるよ」などね。もちろん相手が約束を破れば、その通りに対応するの。もしそれで相手が離れていったとしても、それはそれでしかたのないことね。
