民主党候補が敗北した2024年米大統領選について、同党の幹部やメディア番組の司会者が必死に犯人捜しをしているのを見るのは、つらいが愉快でもある。2期目を目指し、それを務めるのに十分な知的鋭敏さと体力があると断言したジョー・バイデン氏に責任があるとの見方で、バイデン家以外の誰もが一致している。しかし、スタッフが真実を隠し、世間に知られないようにしたのだろうか。議会などの場所にいた民主党幹部には、米国民に対して、バイデン氏の再選に向けた取り組みを支持できないと公然と表明する義務があったのだろうか。これら二つの質問とも、答えは「イエス」だ。そして、バイデン政権内の重要人物の何人かは、バイデン大統領の老衰の程度に気付いた時に、抗議の辞任をする義務があった。政権ポストを辞任しても議席を維持できる議会制度では、辞任するのはよりたやすいが、米国でも不可能ではない。2、3人の著名なバイデン政権当局者が辞任し、もはや良心に照らすと職務に当たれなくなった理由を公に説明し、プリンストン大学かハーバード大学で閑職を得るのは無理な注文ではなかった。