三洋電機の株価がウナギ登りである。この3か月ほどの間で株価がほぼ倍になっている。三洋電機はパナソニックの子会社化される予定であるが、パナソニックによるTOB価格は131円と去年の12月に公表されている。今年3月ごろまでは、三洋の株価はそのTOB価格にさや寄せする形で推移していた。それがこの3か月ほどの間にいきなり右肩上がりの株価となっている。

 最近は、日本の株式市場全体も登り基調であるため、その影響もあるとは思われるが、東証株価指数であるTOPIXとこの3ヶ月間のパフォーマンスを比較してみても、やはり三洋電機のパフォーマンスの良さは市場全体のパフォーマンスだけでは説明がつかない。

 証券会社のアナリストも、特に同銘柄を積極的にお勧めしているわけではない。むしろ複数のアナリストは今の株価は合理的な説明がつかないとして、むしろ売った方がいいと言っているぐらいである。

環境プレミアムか?

 このような状況において、三洋電機の株価の動きはどのように解釈すればいいのであろうか?ひとつには金融不況を乗り越えるにあたって、各国で新たな成長産業を模索しているところであるが、その中で環境ビジネスが有望なものとしてクローズアップされていることが挙げられる。二次電池、太陽電池という次世代の環境にやさしいエネルギー事業を有する三洋電機は、かつての我々のイメージである白物家電メーカーから、今や環境企業の代表格になりつつある。したがって、環境銘柄プレミアムがついたことで、株価が急騰しているのかもしれない。