要望書では爆発に関する情報を学校現場に伝えることを求め、「府・府教委として、今回の事故についてきちんと調査し、安全であることを確認すべきです」と指摘した。それができるまでは意向調査を中止し、無料招待事業は見送るべきだとした。
府立高等学校教職員組合で執行委員長を務める志摩毅は、大阪市内で開いた記者会見で訴えた。
「学校行事は、安全に参加できるのが大前提だ」
万博協会は要望書が出された翌日、爆発の「続報」を伝えた。
施工者の鹿島・飛島建設共同企業体が定めた手順書では、地下の配管ピット内で工事をする時はガス濃度が基準値未満かどうかを確認することになっていたが、床上の作業では測るよう規定していなかったという。
結果として安全確認が不十分になり、爆発を引き起こしたと結論づけた。
原因となった可燃性ガスについては、「メタンで間違いないと思われる」とした。

朝日新聞取材班 著
再発防止策として手順書を見直し、今後は床上も含めたすべての作業をする前にガス濃度を測ることにした。配管ピットの自然換気も常に行ってガスの滞留を防ぎ、火気を使う工事は22日から再開する考えを示した。
万博協会の整備局長の藁田博行は市民らの不安を打ち消そうと、大阪市内の万博協会オフィスで開いた記者会見で強調した。
「メタンガスが出ても、すぐ燃えたり爆発したりするわけではない。安心して会場へ来ていただけるよう、(開催中の)対策をお示ししたい」
一方で、本音も漏らした。
「正直に言って、(事故の被害が)これぐらいで済んで良かった。今後さらに安全に関して気を引き締めないといけないという戒めと捉えている」