ではどうすればいいのか?
あなたが生産性の低い「念のため会議」に出席しているとしたら、その理由は2種類あります。
1つ目は「誰かに参加するように要請されたから」、2つ目は「あなた自身が『念のため出席しておきたい』と思ったから」です。
今月、今週、今日、出席した会議はどちらの理由でしたか?
誰からかの要請で仕方なく出席した場合は、周囲のメンバーや組織体制を変える必要がありそうです。でももし、自分自身が「念のため出席しておきたい」と思ったのだとしたら、変えるべきは組織ではなく、あなたの考え方や仕事の進め方かもしれません。
いずれにしても、会議があるのは「誰かが会議をした方がいい」と思ったからです。そしてその背景には「やらないとマズいことが起きる」という考えがあります。逆に言えば、その「やらないとマズいことが起きる」がなくなれば、無駄な会議もなくせるかもしれません。
無駄な会議を減らす手段は、世の中で既にたくさん語られています。
・目的を明らかにする
・自分の役割を明らかにする
・アジェンダと時間を事前に決める
・ノー会議デーをつくる
・デジタルツールを利用する などなど。
しかし、手段の候補があっても、会議をしないことに対する不安や恐怖が残っていたら、おそらく会議はなくせません。そして非効率で無駄な会議が延々と残ることになってしまいます。
まず重要なのは、「やらないと、どんなマイナスがあるのか」を自分の心理に問いかけることです。
「(仮に生産性が低かったとしても)会議をやった方がいい理由」を挙げさせたら、たくさん出すことができてしまいます。みんな、何とでも言えてしまうんです。
問題は「会議を実施するビジネス的な意味」の前に、自分を含めてメンバーの恐怖があるから会議が開かれている、という認識を持つことです。
会議をしない不安に目を向けよう
「念のため会議」の背景にある心理的要因を理解することが、生産性向上への第一歩です。リスクや責任への恐れ、可視化欲求、同調圧力、意思決定への不安といった要因は、個人の問題であり、組織文化の課題でもあります。
まずはメンバーの不安に焦点を当て、そこを言語化し、その不安を払しょくするような施策を考えましょう。
無駄な会議が多い問題を解決するためには、「会議を効率的に進めるやり方」を考えるのではなく、これらの不安に対処することです。