
あなたは今、どんな立場で働いて収入を得ているだろうか。今は会社員でも「いずれ起業してビジネスオーナーとして身を立てたい」と思っているのであれば、スティーブ・ジョブズのような天才的な起業家を目指してはいけない。その理由とは?※本稿は、侍留啓介『働かないおじさんは資本主義を生き延びる術を知っている』(光文社)の一部を抜粋・編集したものです。
収入源の違いによって
経済人を四象限に分類できる
資本主義社会を巧みに生き抜いていくには、資本主義を知悉した上で、足元を掬われないようにすることが最低限求められる。個人にとっての資本主義における目的とは、一言で言えば、「より多くの収入を得る」ことである。個人としては、まずこの目的をしっかりと見つめなければならない。
そこで、アメリカの投資家ロバート・キヨサキが掲げる「キャッシュフロー・クワドラント」を紹介したい。キヨサキは『金持ち父さん貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』(筑摩書房)などのベストセラーで知られる。「キャッシュフロー・クワドラント」は、「お金がどこから入ってくるか」に着目して、経済人をタイプ別に四象限(クワドラント)に分類したものである。
四象限とは、E(employee=従業員)、S(self-employed=自営業者)、B(business owner=経営者)、I(investor=投資家)である。収入を得ている人は必ず、このうちのいずれかのタイプに属している。

上の図を見ていただければわかる通り、4つのグループはさらに、左側のE、Sと、右側のB、Iに分けることができる。キヨサキは、「経済的自由」を手に入れるには、クワドラントの右側、すなわちB(経営者)やI(投資家)として権利収入を得ることが近道であると主張している。