カネカ社員がアフリカ人少女に
ウィッグをつけてあげると…
織田氏は、市場調査で出会った一コマが忘れられないという。まだ年端もいかない少女に、初めてウイッグをつけてあげた時のことである。
「鏡を見た途端にパッと表情が明るくなって『これが私なの? 信じられない』という顔になった。人の顔が一瞬でこんなに輝くのを見たのは、初めての経験でした」
つけ毛は単なるファッションではなく、アフリカ女性の自立と社会進出を象徴するアイテムである。しかも、いったん身につけると、「第二、第三の自分」を発見して、手放せなくなる。カネカロンの事業機会は、市場創造とともに広がっていく。まさにCSV(共通価値の創造)の理想的なケースである。