「チームの空気が悪い」と感じたとき、頭のいい管理職が最初にやること

2025年6月25日 7:20

「この本のおかげで出世できた」「チームのパフォーマンスが上がった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。今回は、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方を指南する。（構成／ダイヤモンド社・種岡健）

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空気の悪化は、“管理職の責任”なのか？

「最近、チームの雰囲気がよくない」
「メンバー同士の温度差が気になる」

　そんなとき、多くの管理職は「もっと寄り添おう」「1on1を増やそう」と考えます。
　でも、実はそれが逆効果になることもあるのです。

1on1は「万能薬」ではない

　部下の感情に丁寧に寄り添うことは、一見理想的に思えます。
　しかし、それが頻繁になりすぎると、管理職自身が“感情の受け皿”になりすぎて疲弊します。

・毎回、誰かの不満に付き合わされる
・ネガティブな空気に引きずられる
・対話が増えても、根本は変わらない

　こうなると、管理職の判断力や公平性が失われていきます。

空気が悪いときこそ、「距離」を取る

　頭のいい管理職は、「空気が悪い」と感じたときほど、
“個人の感情”ではなく“事実と構造”に目を向けます。

・何が起きているのか
・どんな業務上の支障が出ているのか
・どのルールが形骸化しているのか

　つまり、「空気が悪い」という“感情的な印象”に巻き込まれず、冷静に構造を整えにかかるのです。

「すべてをわかろうとしない」が信頼につながる

　チームの空気を管理職が“すべて理解しよう”とする必要はありません。
　むしろ、「わからないからこそルールで整える」という態度のほうが、部下に安心感を与えます。

　リーダーは、情緒ではなく基準と仕組みで場を整える人です。

感情を拾うより、「感情が不要な設計」を

　理想は、誰かが気を使わなくても仕事が回るチーム。
　つまり、「空気」よりも「構造」を整えることが、空気改善の最短ルートです。

　空気の変化に飲み込まれず、風通しの良い距離感を
　空気が悪いと感じたときほど、“感情に寄り添いすぎない勇気”が大切です。

　一歩引いた目線で構造を見直すことが、チーム全体の健全さを取り戻す近道となります。

（本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです）

安藤広大（あんどう・こうだい）
株式会社識学代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計170万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』（ダイヤモンド社）がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。