ニュースな本写真はイメージです Photo:PIXTA

ビールは冷たくないと飲めないが、日本酒は常温でもおいしい。この2つの違いはどうして生まれるのか?酒好きを名乗るなら知っておきたい、お酒にまつわる豆知識をお酒のプロが紹介する。※本稿は、葉石かおり著、浅部伸一監修『なぜ酔っ払うと酒がうまいのか』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。

「とりあえずビール」
そう言ってしまうのはなぜ?

 酒が「おいしい」と感じるのには、さまざまな条件が関わっている。飲み会で「最初はビール」と頼んでしまうのは、その日1杯目に飲む酒は「冒険して失敗したくない」というバイアスが働いて、飲み慣れているものをおいしいと感じるからだ。

 そして、飲み進めていくと脳がアルコールによって影響を受け、自制心が低下し、次々と杯を空けてしまう。そのときに、どんな種類の酒を好んで飲むのかは、個人の嗜好によるわけだが、酒飲みたるもの、ただ漫然と同じものを飲み続けているだけではつまらない。それでは人生がつまらなくなってしまう。

 そこで知っておきたいのが、酒の種類によってどんな成分がその味を決めるのか、ということだ。酒の味は、それに含まれる成分によって決まる。これを知れば、どのように飲めばその酒を最大限味わうことができるかが見えてくるし、飲み会でウンチクとして披露できる。

フルーティーな日本酒の
香りを楽しみ、おいしく飲む方法

 食品の味を科学的に分析するユーロフィンQKEN(編集部注/「信頼性の高い検査を通じて、世の中へ安全と安心を提供します」を経営理念とし、食品分析を行う企業)の肥田崇氏に、まずは日本酒の味の決め手となる成分について教えてもらおう。