ここでは、よく寄せられるお悩みの解決策を事例とともに紹介しています。カテゴリーごとに動物行動学をもとにした原因と対策を解説しているので、まずはそこを読んで解決策を大まかに理解してみましょう!そのあとに各事例に載せた知識やテクニックを参考にしてください。

多すぎる「要求鳴き」は
飼い主の対応に原因あり

 猫さんが「うにゃーん!」「なおーん!」と鳴いて、何かを訴えてくるときの鳴き声を一般的に「要求鳴き」と呼びますが、これに悩んでいる飼い主さんは多いです。

 人間同様、猫さんも学習する生き物です。要求したいことがあって鳴いたらかなえられたという成功経験を重ねた結果、「鳴けば要求が通るぞ!」と学習し、要求鳴きが増えていきます。実は要求鳴きの増減は、飼い主さんの行動次第なのです。

 ですので対処法としては、鳴く前に先回りして要求を満たすことで、「鳴いた→要求が通った」というループを途切れさせることです。

 なお、「要求鳴き」と呼ばれていますが、猫さんによっては要求のあるときに物を落としたり、邪魔をしたり、圧をかけてきたりと、さまざまなパターンがあります。

 それ以外にも、不安や恐怖を抱えたことで鳴いている場合もあります。その場合は、おやつを使って気持ちを切り替えてもらうのがおすすめです。

 シニア猫さんの場合、認知機能が低下したことで鳴いている場合もあります。

要求鳴きされる前に
猫が「してほしいこと」を見極める

お悩み
 構ってほしがりなタイプです。鳴いたら遊んであげるようにしていたら、どんどんひどくなってきて、今では早朝や食事中も鳴かれて、どうしていいかわかりません。

 鳴いたら遊ぶというサイクルをやめることがポイントです。そのためには、要求される前に遊ぶこと!1日のなかで遊ぶ時間を増やすことが大切です。それにより、このケースでは要求鳴きが激減しました。

 もし「ごはんがほしい」と鳴いている場合は、食事量やカロリーを見直し、お腹がすかないように工夫するのがおすすめです。

 早朝に鳴かれてしまう場合は、自動給餌器を導入して、ごはんが自動で出てくるようにセットしておいてもよいでしょう。または、猫さんが夜に眠る直前に、少量だけごはんをあげておく手もあります。