銀行実力番付2025#5Photo:PIXTA

上場している地方銀行は70行超。銘柄数の多さと似通った業態故に、投資先の見極めは一筋縄ではいかない。そこで、特集『銀行実力番付2025』の#5では、益出し余力とPBR(株価純資産倍率)を軸に、上場地銀73行を徹底分析。株価が割安な金持ち地銀ランキングを作成した。含み益を厚く抱えながらも市場の期待が低い、投資妙味のある地銀を紹介する。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

上場地銀を二つの指標で評価
株価が割安な“金持ち地銀”を抽出

 一見すると地味な存在だが、実は巨額の含み益を抱える“金持ち地銀”が存在する。市場で過小評価されがちな地方銀行の体力を見極める手掛かりとなるのが、益出し余力だ。

 益出し余力を把握する方法の一つが、保有する株式や債券などの有価証券の含み損益(評価損益)を、コア業務純益で割るというものだ。本業で稼ぐ力に対して、どれほどの含み益または含み損を抱えているかを示す指標となる。

 益出し余力が大きければ、売却益を将来の利益に取り込む余地が大きく、株主還元や収益の上振れも期待しやすい。逆に、過大な含み損を抱える銀行は、突如として損失計上を迫られることもある。

 そこで、ダイヤモンド編集部は日本資産運用基盤(JAMP)の協力を得て、最新の2025年3月期決算を基に上場地銀73行の益出し余力を算出。さらに、株価が割安かどうかを測るPBR(株価純資産倍率)を加味し、「株価が割安な金持ち地銀ランキング」を作成した。

 計算方法はシンプルだ。益出し余力が大きいほど得点を高くし、PBRが低いほど評価を上げる。含み益を多く抱えながらも、株価が割安に放置されている地銀が上位にランクインする仕組みとなっている。

 地銀株は数が多く見分けづらい。それ故に、中には埋もれた有望株もあるだろう。次ページでは、益出し余力が大きくPBRが低い“格安地銀”を一挙に紹介する。