綺麗なものは汚したくないのが人情か
無償の掃除の結果、作業効率が上がった

 人というのは不思議なもので、きれいになったところは案外、汚せなくなるものだ。それまで雑然として汚れていたゴミ置き場がきれいに掃除されて、ゴミ箱まで新品のようになっている。それを見たお客様は、ゴミ置き場をきれいに使用するようになったそうである。

 そうなればまた、回収もスムーズになり、社員たちの作業効率アップというメリットも。そのうえ、さらに「いつも掃除してくれてありがとう」という感謝のお言葉までいただけるのだから、彼らにとっては苦労でもないようだ。

 しかし、あくまで無償で行うサービスである。本業の回収・運搬業務に支障のない程度ということで、月に1度という頻度で現在は落ち着いている。

 他社からみれば「名晃は社員に何をさせているんだ?」という声もあるようだが、私がやらせているのではなく、社員が自主的に考えて実行していること。だからこそ「うちは名晃さんに任せているから」というお言葉をいただけるまでになったと思う。そういう意味でも社員には感謝しかない。

ピカピカに磨かれた収集車が
等間隔でズラリと並ぶ

 廃棄物収集車が走っているのを見かけると、名晃の収集車かどうかはひと目でわかる。車がピカピカに磨かれてきれいだからである。

 産業廃棄物の収集・中間処理を行っている企業だからこそ、掃除を徹底的に行うのは夫である先代社長からの伝統。「くさい」「汚い」とか「3K」といわれ続けてきたからこそ、掃除を徹底し、そのイメージを覆すこと。そこに腐心してきた。運輸部門の社員たちは常に収集車をきれいに磨いているし、それだけではない。

 本社の駐車場に駐めている収集車。この駐め方が実にみごとなのである。車間はもちろん、車の先頭も横1列にピタッと揃えて並んでいる。その正確さには目を見張ってしまう。