「シーン別に声を変える」のが
伝えるときにそぐわない理由

思い込み(1)シーンや相手によって声色や話し方は変えるもの
→声色や話し方は変える必要がない。むしろ、一貫性があるほうが信頼される。

「この人の前では明るく」とか「あの人には声を張らなくては」など、シーンや相手によって声色や話し方を使い分けるのは、かなり高度なテクニック。声色を使いすぎると信用されない場合もあります。仕事でもプライベートでも、声を使い分ける必要はありません。

 たとえば、「人前で話すときは、がんばって声を明るく」などと意識すると、それだけで心身にストレスがかかります。

 昔は、電話をかけるときやよそゆきの場面では、声を高くしたり、大きくしたりするのが普通だったかもしれません。

「ちゃんと話したはずなのに…」なぜか相手に伝わらない人がやっている「4つの勘違い」とは?同書より (C)みわまさよ

 でも、今の時代は違います。仕事でもプライベートでも、声は一貫していたほうが相手に信頼されるのです。何より、自分自身がリラックスして話せるようになります。

 シーンや相手によって声を変えなくてはという「昔からの思い込み」は、もう捨ててしまって大丈夫です。

 自然な地声が「伝わる声」の第1歩です。

 そのため、本稿ではムリに声を変えるようなトレーニングはしません。

 ただし、地声のままだと、ビジネスや人前に出るような場面で、不機嫌に聞こえたり、だらしなく感じられる場合があります。

 そこで少しトレーニングをして、地声に息をプラスして「伝わる声」に格上げする必要があります。