奥野 ワクチンを打ったあとの2、3日間、少し肩が痛かったでしょう?それが2、3日にとどまらずどんどん痛みが増し、いわゆる五十肩の状態が治らずにそのまま続き、ワクチンがきっかけで五十肩が始まったという患者さんが、当時うちのクリニックに本当にたくさん押し寄せたんです。

 このことはメディアでは全然報道されていません。SIRVAという病気は、ワクチンを接種したあとに免疫状態が異常に活性化されて、五十肩に近い状態になってしまうものです。

遠藤健司(以下、遠藤) 最初はたまたま五十肩と重なったのかなと考えましたが、私が勤務する病院でも来院する方の数があまりにも多かったので、「やはりこれは偶然じゃない。モヤモヤ血管(編集部注/関節のまわり、腰、肩こりなどの長引く痛みの部分にできる異常な血管。五十肩患者の100%に、モヤモヤ血管が存在する)が原因ではないだろうか」と思いました。

コロナワクチンの接種後に
18歳でも五十肩になった

奥野 それ以外、考えられません。しかし、ワクチンを接種した病院も、そして国もリスクを負いたくないので、本件についてまったく認める気配がありません。でも肩専門医の界隈で「シルバ」と呼ばれている病態の話は前から出ていて、「腕の上のほうに注射を打つとなりやすい」などといったことが囁かれていました。僕らも五十肩の患者さんにはたくさん接しているので、最初は簡単に治せると考えていたのですが、通常の重度の五十肩の患者さんよりも非常にしぶとい炎症だったのです。

 患者さんは基本的には50代が中心ですが、一番若かった患者さんは18歳の女性でした。50代の人が五十肩になるのは、加齢で自然になったものとも考えられますが、18歳の若い子がなるはずがないので、その原因はもう明白です。

 コロナワクチンの副作用については命に関わる事案、例えば血栓や心筋炎などはよく報道されていましたが、痛みについてはほとんど言及されていませんでした。