夏の日の朝、宮さまは妹の黒田清子さん(当時は紀宮さま)を連れて、採集した昆虫を見に行くのが楽しみだったそうだ。2人は、一緒に御用地で虫とりに出かけた。
しかし、昆虫をとり損なった清子さんをしばしば宮さまが叱るので、清子さんは宮さまとの昆虫採集は、「とても怖かった」と、あとあとまで話していたという。
虫についてはわずか10歳で
父を超えてしまった悠仁さま
私の取材メモによると、悠仁さまは、昆虫の中でもトンボとチョウが好きらしい。
「でも今、一番、関心のあるのはトンボでしょうね」
と、父親は話した。悠仁さまは、御用地内の水田にメダカやヤゴを放し、トンボなどの好む生息空間(ビオトープ)を作っている。紀子さまも次のように話している。2015年11月19日、秋篠宮さまが50歳を迎える折の記者会見でのひとこまだ。
「長男は、以前からの興味がさらに広がり、また新たな興味も加わってきました。田んぼの生き物などにも興味を持つようになり……(中略)今まで興味を持っていました昆虫の採集や飼育をするだけではなく……(中略)生き物が暮らす環境にも関心を向けています。たとえば、トンボやホタルなどが棲みやすい場所、好む環境をつくりたいと、自分の家の庭や御用地内を歩いて植生などを確かめ、また小川のところでは、水の流れを止めないように枯れ葉や小さな枝を取り除いています」

このように、悠仁さまのトンボと、その暮らす環境への関心ぶりを紹介している。
もう一度、取材メモに戻る。「ところで、皇居や赤坂御用地にはどのような種類のトンボが生息しているのでしょうか?」と、門外漢の私は素直に疑問を投げかけてみた。しかし、秋篠宮さまは、困惑しながら次のように答えている。
「息子に何度か説明を受けましたが、私自身、よくトンボの区別がつきません。魚類だったらある程度、理解できるのですが、虫はね。正直、私はよくわかりません」
このように、あっさりと白旗をあげた。昆虫の知識については、悠仁さまは10歳で、父親を超えたらしい。