
1980年初頭、パリ・コレクションでファッション界に「黒の衝撃」と呼ばれるインパクトを与えたデザイナーの川久保玲(コム・デ・ギャルソン)と山本耀司(ヨウジヤマモト)。黒を基調とした斬新な服の数々は世界を魅了し続けている。その軌跡をたどる――。※本稿は、とあるショップのてんちょう『教養としてのハイブランド フツーの白シャツが10万円もする理由』(彩図社)の一部を抜粋・編集したものです。
超好景気の日本で流行った
DCブランドの隆盛
1980年代の日本は、超好景気の時代です。国内では土地の値段が上がり続け、不動産の不敗神話なんてものがありました。いわゆるバブル景気ですね。
この頃の日本で流行したファッションは、一言でいうなら「ブランド物」です。多くの人が唸るほどお金を持っているわけですから、着る物も当然豪華になっていきました。羨ましい限りですよね。
中でも当時の日本で流行していたのが、「DCブランド」と呼ばれるブランド群でした。
最近ではめっきり聞かなくなった言葉ですが、DCブランドとは、デザイナーズ&キャラクターズブランドの略語で、年代に一世を風靡した日本のアパレルブランド群のことを指します。
と言っても特に明確な定義があるわけではなく、当時活躍していたブランドをひとまとめにした言葉、くらいに捉えていただいて問題ありません。
代表的なものをいくつかご紹介しましょう。