まずはBIGI。立ち上げに携わった菊池武夫は有名なデザイナーで、現在は日本のファッション業界の大御所的な人です。DCブームの火付け役の一人である彼は、BIGIの他にも「バルビッシュ」や「ハーフムーン」といったブランドも手掛けており、1985年にはBIGIを離れ、株式会社ワールドへ移籍。

 ここで自身の名を冠した「TAKEO KIKUCHI」など、いくつかのブランドをスタートさせます。

 TAKEO KIKUCHIもBIGIも現存するブランドなので、知っている人も多いんじゃないでしょうか。

物議を醸したブランド
コムサ・デ・モード

 次に松田光弘のNICOLE(ニコル)。

 これも同じく聞いたことがある人は多いんじゃないでしょうか。創業は1967年と比較的古く、スタート時のブランド「NICOLE」を中心に「マダム・ニコル」「ムッシュニコル」「ニコルクラブ」「ニコルクラブ・フォーメン」など、老若男女幅広い層に対応するブランドの立ち上げを行いました。またニューヨークの街に、日本人としては初めてブティック「MATSUDA」をオープンした事でも知られ、1983年にはニューヨークコレクションに出展もしています。

 最後に「コムサ・デ・モード」をはじめとするコムサ系。当時乱立したDCブランドの中でもコムサは決して前線を走ったブランドではなく、あくまで後追いという立場でした。手法もある意味で潔く、日本を代表するブランド「コム・デ・ギャルソン」と名前の語感を似せるなど、当時から色々と物議を醸したブランドです(※1)。

 しかしブームが過ぎ去り、多くのDCブランドが消え去った今でも、コムサ系のブランドは生き残ってますし、なんなら一定以上の知名度はありますよね。ブランドに興味が無くても、コムサは知っているという人は多いです。

 そう考えると、なんだかんだ立ち回りのうまいブランドなんだなと思います(※2)。

※1…1980年代の雑誌を見返してみても「コムサに就職するなんて人にいえない」といった、直球すぎる内容がかかれていたりしますね(笑)。
※2…その他、コシノジュンコのジュンココシノ、大川ひとみのミルク、コムサデモード、アトリエサブ、カンサイヤマモト、ピンクハウスなどが代表的なDCブランドとして挙げられます。コム・デ・ギャルソンやヨウジヤマモト、イッセイミヤケも、DCブランドとして区分されることもあります。