女子プロゴルフツアーの冠スポンサーを務めるまでになったほけんの窓口。華々しい大会開催の裏で、金融当局はソニー生命保険と同時に、ほけんの窓口にも検査の手を伸ばしている。
5月17日、福岡市の和白にあるゴルフコース、福岡カンツリー倶楽部で、女子プロゴルフの国内ツアー「ほけんの窓口レディース」の開幕が高らかに宣言された。
横峯さくら選手や上田桃子選手といったトッププロが顔をそろえたこのツアーの冠スポンサーはその名の通り、全国に約400店舗もの保険ショップを展開し、保険の乗り合い代理店として最大規模を誇るほけんの窓口グループだ。
ところが、である。今年から冠スポンサーを務めることになったにもかかわらず、創業社長(現顧問)である今野則夫氏はついぞ、“晴れの舞台”に姿を現すことはなかった。今野氏は開幕の前々日に開かれた懇親会に出席しただけで、福岡を去ったという。
それもそのはずだ。今野氏といえば、自身の資産管理会社で行った不動産取引で、消費税脱税の疑いが浮上しており、「近く地検特捜部が捜査に着手するのではないか」(複数の関係者)といわれている人物。表舞台に顔を出すどころではないのだ。
本社のみならず
地方の店舗にも検査の手が伸びた
Photo by Ryosuke Shimizu
今野氏が表舞台に現れなかった理由はほかにもある。現在、ほけんの窓口をめぐって、金融当局も動きを強めているのだ。
発端となったのは、5月8日から始まったソニー生命保険への金融庁検査。その2日後の5月10日、渋谷ヒカリエにあるほけんの窓口本社にも検査が入った。
このほか、13日にも愛媛県今治市に本社を構えるLPHライフコンサルタント(ほけんの窓口のフランチャイズ店)への検査を行ったもようだ。この会社は今野氏の親族が経営しており、「今野氏の金庫番」(業界関係者)と目されていることから、「脱税容疑に絡んだ調査ではないか……」(同)とうわさされている。