「頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが20万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

「優秀な人」ほど部下とうまくいかない3つの理由
非常に優秀な人がマネージャーになると、うまくいかなくなるケースが多々あります。
それには大きく三つの理由があります。
まず一つ目は、「自分が100%できるから、相手にも100%を求めてしまう」という点です。
優秀な人は、何でも自分でこなせてしまいます。
そのため、他の人にも同じクオリティを当然のように求めてしまうのです。
しかし、実際のチームには、できる人もいれば、できない人もいる。
能力は凹凸があるものです。
それにもかかわらず、全員に対して100%の成果を求めてしまうと、チーム内に無理が生じてしまいます。
そもそもマネジメントの基本とは、「力の足りない人をどうやって伸ばしていくか」にあるのです。
この部分を理解せず、できない人を見限ってしまうようでは、マネージャーとしてはうまく機能しません。
次に二つ目の理由は、「できない人の気持ちが理解できない」という点です。
優秀な人は、自分では簡単にできることが、なぜ他の人にはできないのかが本当にわからないのです。
そのため、相手の問題点がどこにあるのかを見つけることができず、ましてやどうやって成長させていけばよいのかという解決策も思いつきません。
自分ができてしまうがゆえに、「なぜこんなこともできないのか」と苛立つばかりで、問題そのものを見ようとしなくなるのです。
結果として、チーム全体のレベルも上がらないままになります。
最後の三つ目は、「自分ができる方法を考えたことがない」という点です。
優秀な人は、自然とできてしまうために、「どういう手順で、どういうやり方をすれば、それができるようになるのか」ということを、そもそも考えた経験がありません。
ですから、たとえチームメンバーの問題点を見つけたとしても、それをどうやって解決すればよいのかを教えることができません。
彼らの頭の中では、「やればいいじゃん」「これだけやればできるでしょ」と単純に考えてしまうのです。
しかし、実際にはその「これだけやればできる」にも多くの手順や段階があるわけで、それを分解して説明できないというのは、マネージャーとして致命的です。
このように、非常に優秀な人ほど、マネージャーとしては不利な特性を持っていることがあります。
大切なことは、自分自身で「当たり前」と思うことは他者の「当たり前」ではないということを認識し、人に教える時はステップを噛み砕いて「階段上」にして
伝えるということが肝になります。自分でできている「当たり前」を噛み砕き丁寧に説明することは基本的に面倒臭いことになることが大半です。
ですがマネージャの一歩としてはその面倒臭さを堪え、他者の能力に合わせて伝えられることが最も大事な基本原則となります。
ぜひ、ご自身のキャリアを考える上で、この点をぜひ参考にしていただければと思います。
(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者、西原亮氏が特別に書き下ろしたものです)