2048年まで生産年齢人口は増え続ける見通し
年齢の中央値が30歳以下で、若さと勢いがある!
――インド経済の長期の成長ストーリーとは?
コタリ インドの強みは若い人口の多さで、年齢の中央値は30歳以下です。中国は高齢化が進み、すでに生産年齢人口(15~64歳)が減り始めていますが、インドは2048年まで増え続ける見通しです。
――ITがお得意? 教育水準レベルは?
コタリ 教育の質も高く、科学系学位の取得者数は世界1位で247万人います。2位の中国は198万人、3位の米国は90万人です。サイエンスやエンジニアリングの分野で活躍する人材が多く、マイクロソフト、グーグル、アドビなどの米国IT企業のCEOはインド系です。
――インド株がコロナ後に人気化したワケは?
コタリ 以前のインドには小さい企業が数多くありましたが、コロナ禍で再編・淘汰が進みました。大企業が力をつけ、売上高も利益率も伸びるフェーズに入りました。また、州ごとの税金が撤廃され、大企業が州をまたいで全国的に事業を展開しやすくなりました。
インド企業のROEは16%と非常に高く、世界主要国でトップの米国企業の19.5%に次ぐ水準です。なお日本企業は9%です。インド企業は、倹約を通じてコスト管理を徹底しており、高いROEを出し続けています。株価の長期的な成長は、利益成長のほかにROEの高さも寄与しています。
――日本以外の国でもインド株は人気なのか?
コタリ 欧州、米国、中東、シンガポールなど世界中の資金がインド株に集まっています。その中には、政府系ファンドの資金も含まれます。
また、インド国内では個人投資家向けに積立プログラムがあり、多くの人が投資信託を積み立てています。投信の運用資産額は66兆ルピー(約111兆円)と、17年間で13倍に増えました。個人投資家からの安定した資金流入が長期で株価を下支えしています。
――インドで注目される投資テーマは?
コタリ いくつかありますが、その一つがヘルスケア分野です。インドでは生活習慣病が蔓延しており、糖尿病患者数は世界最多で1億人います。インドの病院は、小さな民間病院が全体の59%を占め、大規模な病院チェーンは2%しかありません。今後、統廃合が進み成長する余地があります。
また、インドの医薬品市場は毎年10%のペースで成長しています。売上増に加えて平均寿命も延びているので、医薬品市場は今後も一貫して伸びていく市場です。
――インド株投資でリスクを抑える方法は?
コタリ インド株は上昇率が大きい一方、下落する時の下落幅も大きい。これとどう付き合うかが重要になります。1999年以降、6カ月間で株価が15%以上も下落した局面は、25回ありました。このうち1年後に株価がプラスになったのは17回で、率にして68%です。さらに3年後には92%、5年後には100%プラスになりました。5年でみると勝率100%になります。
要するに、下落局面は大きな投資のチャンスということ。時間分散や積立が効果的な市場です。
ダイヤモンド・ザイでは1年に1回、「NISAで買える本当にイイ投資信託」を部門別にランキングし、上位のファンドを表彰している。人気や知名度ではなく、データを最重視した完全実力主義のアワードだ。「1.どれだけ上がったか(上昇率)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの独自基準で評価を行う。また、非常に人気があり多くのお金を集めているにもかかわらず成績が振るわない投資信託も、「もっとがんばりま賞」として発表している。
<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧
▼日本株総合部門
▼日本中小型株部門
▼米国株部門
▼世界株部門
▼新興国株部門
▼リート部門
▼フレッシャー賞
▼もっとがんばりま賞
▼(番外編)インデックス型「最安ランキング」
▼当グランプリの「選定基準」はこちら⇒https://diamond.jp/articles/-/363017