
2025年年初は大きく下落したインド株だが、3月以降は3カ月連続で上昇するなど、他の株式市場と比べても好調。こうした流れをうけ、日本で買えるインド株型投資信託も4カ月ぶりに資金流入に転じた。足元のインド株高の要因と、直近で買われている投資信託をタイプ別に分析する。
インド株は3カ月連続で上昇中
規模別では中型株・小型株が上昇した相場に
インドの株式相場の戻り基調が継続しています。
5月のインドの主要株価指数をみると、大型企業で構成されるNifty50指数は月間で1.7%の上昇と、3カ月連続のプラスとなりました。一方、中型株で構成されるNifty Midcap150指数は6.3%の上昇、小型株で構成されるNifty Smallcap250指数は9.6%の上昇に。いずれも3カ月連続のプラスとなりましたが、5月は、時価総額の小さい企業の戻りが大きい結果となりました。
このように、2025年年初は大きく下落するスタートを切ったものの、3月以降は他の株式市場と比べても好調を維持しています。こうした流れを受けて、日本で買えるインド株型投資信託は5月に+151億円と4カ月ぶりの資金流入に転じました。合計残高も4カ月ぶりに3.5兆円を回復しています(モーニングスター・ダイレクトのデータ)。
インド株のインデックス型投資信託は
2023年3月の設定来、27カ月連続で資金流入
2024年8月の株式相場の乱高下あたりから、インド株型投資信託の資金フローは大きく減速し、設定と解約が拮抗する状況となっていました。しかし、2025年5月は古くから設定されているインド株型投資信託も含めて、幅広いタイプの商品に資金流入が見られました。
以下のグラフは、4つのタイプ別に資金フローを集計したもの。
5月はいずれのタイプも資金流入となっています。とりわけ、市場全体に投資するパッシブ(インデックス型)は2023年3月に初めて商品が設定されてから27カ月連続の資金流入を記録しています。また、5月はそれ以外のアクティブ型やテーマ型のインド株型投資信託にも成績改善を期待した買付が増えてきたようです。
インド中銀が主要政策金利を0.5%引き下げ
インド株は好調を維持
なお、6月に入ってからのインド株相場も好調を維持しています。6月6日にはインド中央銀行が主要政策金利のレポ金利を0.50%引き下げて5.50%に、預金準備率(CRR)も1.00%引き下げて3.00%としたことで、インド経済の課題であるインフレが緩和されたとの楽観的な見方が広がりました。
日本では5月に、インドの中小型株に投資するインデックス型投資信託が新たに設定されました。インド株式の成長を捉えるための選択肢はますます増えています。今後も、インド株型投資信託の資金フローの回復は継続することが期待されます。

20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
ダイヤモンド・ザイでは1年に1回、「NISAで買える本当にイイ投資信託」を部門別にランキングし、上位のファンドを表彰している。人気や知名度ではなく、データを最重視した完全実力主義のアワードだ。「1.どれだけ上がったか(上昇率)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの独自基準で評価を行う。また、非常に人気があり多くのお金を集めているにもかかわらず成績が振るわない投資信託も、「もっとがんばりま賞」として発表している。
<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧
▼日本株総合部門
▼日本中小型株部門
▼米国株部門
▼世界株部門
▼新興国株部門
▼リート部門
▼フレッシャー賞
▼もっとがんばりま賞
▼(番外編)インデックス型「最安ランキング」
▼当グランプリの「選定基準」はこちら⇒https://diamond.jp/articles/-/363017