「もういい加減にして！」人に聞くたびに嫌われる1つの超NG質問。その衝撃の正体

2025年6月24日 6:25

「『なぜ、そう思うの？』は、絶対にNGです」
「なぜなぜ分析」をはじめに「なぜ？」という問いは“論理的に考える”ための「良い質問」だと考えられている。しかし実は「なぜ？」「どうして？」は、致命的な「解釈のズレ」を生み、噛み合わない会話＝「空中戦」を作り出してしまう元凶、「最悪の質問」なのだ。
「事実と解釈の違い。これに気づけていない人は、まだ確実に“曇りガラス”の中にいます」――。話題の新刊『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』では、世界・国内の各地で実践・観察を積み重ねてきた著者による「賢い質問の方法」＝事実質問術を紹介している。本書に掲載された衝撃の新事実の中から、今回は「ありがちなNG質問」について紹介する。（構成／ダイヤモンド社・榛村光哲）

Photo: Adobe Stock

「聞くたびに嫌われる」超NG質問の正体

　私は本書で繰り返し、「なぜ」は使ってはいけないNG質問だとお伝えしてきています。その理由は第一に相手の「思い込み」を引き出してしまうから。第二に、相手の「言い訳」を引き出してしまうからです。

　しかしそれ以外にも、本来は使わないほうがいい「なぜ」の用法があります。

　それは、質問のように見えて、相手に不要なアドバイスを強要している「おせっかい型」のなぜ質問です。

　今回はその特徴について、考えていきましょう。

「おせっかい型のなぜ質問」の正体

　たとえば、次のような会話を見てみてください。

A：最近、仕事が楽しくなくて…
B：そう。じゃ、なんで転職しないの？仕事なんていくらでもあるじゃない。
A：いや、なんだか勇気が出なくて…

　これは、実際の事例をもとにした対話例です。あなたも、過去に上司や先輩、あるいは教師からこのような「なぜ質問」を受けたことが少なからずあるはずです。その時のあなたの反応を思い浮かべてみてください。素直に従う気分になったでしょうか？

　きっと、素直にそうは思えなかったのではないかと思います。その時の理由は、「そんなのわかってるよ」とか、「余計なお世話だ」とか、様々でしょう。しかし共通しているのは、質問された側に、ネガティブな感情を引き起こしているということです。

「押し付け型の提案」は慎む

　これは、質問に見えて、実際は相手に自分の提案・アドバイスを強要している「おせっかい型のなぜ質問」です。疑問形に見せかけた命令形とも言えます。

「なぜ？」という形をとってはいますが、実際は、押しつけ型の提案になってしまっているのです。もし、このような会話を無意識に続けてしまっていたら…相手との関係が、気づかないうちに悪化している可能性もありますよね。

「なぜ質問」の変換における大切な原則は「提案しない、求められないアドバイスをしない」です。本当に受け入れてもらいたいのなら、提案しない、つまり「慎む」ことです。こちらは基本公式というより、姿勢あるいは心構えに近いものですね。

嫌われない人の「すごい言い換え」

　ただ、どうしてもこういった提案をしないと行けない場合（たとえば、身体・精神的に重大な支障をきたすおそれがある場合）には、別の方法を使います。その際は本書で紹介している事実質問の公式に沿って、「イエス・ノーで答えられる過去形の質問に変換する」のがおすすめです。先ほどの例であれば、次のような言い方があります。

・「辞めたい、と思ったことはある？」
・「転職を考えたことはある？」
・「直近で辞めたいと思ったのは、いつのこと？」

　このように「事実を確認する」聞き方であれば、相手のネガティブな感情も起きづらくなるでしょう。事実を通じて対話をすることで、相手との関係がよくなっていくことも期待できます。

　対話は、どちらかが質問し、相手がそれに答えることから始まります。

　よい人間関係の基本には、よいコミュニケーションがあり、よいコミュニケーションの出発点には、良い質問があるのです。

（本記事は『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』に関する書き下ろしです）

「聞くたびに嫌われる」超NG質問の正体

「おせっかい型のなぜ質問」の正体

「押し付け型の提案」は慎む

嫌われない人の「すごい言い換え」

本書の内容