「『協調性』じゃ、これからの時代はだめだ!」と言ったかと思うと、その3、4年後には平気で、「扱いにくすぎました『個性』的な人材は。そして、やっぱり『協調性』です!」と言わんばかりの、ランキングを出すのです。

上記の、帝国データバンクが2022年秋に公開した「企業が求める人材像」に関する調査結果(注2)は大変興味深いものでした。
(注2)企業に聞いた「採用したい人材像」、1位は?2位意欲的、3位素直 マイナビニュース(mynavi.jp)
どれだけ時代が変わっても
コミュ力の評価は変わらない
もう1つ、日本経団連が調査した「企業が社員採用時に求める資質」の統計データ推移を見てもおもしろいですが(注3)、これらのことと、「職場の傷つき」がどうつながるのか?話を収束させていきましょう。

このランキングをご覧になって、まず気づくことがないでしょうか?
経団連の調査でも過去約20年にわたって、「コミュ力」は「求める人材像」でも「新卒者に求める能力・資質」ランキングでも1位に君臨し続けているのです。ですが、
恐るべし!「コミュ力」。と言いたいのではありません。
このことが、巧みな「職場で傷つく」と口外させない装置になっていると私は考えます。「職場で傷つく」かどうかは個人次第。それも個人の「能力」――特に、「コミュ力」の問題――というロジックが、実に通りのいいものだからです。
(注3)企業が求める人材は16年連続「コミュニケーション能力」その打開策とは(2021年12月24日)―エキサイトニュース(excite.co.jp)