元気な人の美味しい習慣大山乳業農業協同組合が手がける「白バラ牛乳」。鳥取県産生乳を100%使用した成分無調整牛乳

様々な商品がある中で、どの牛乳を飲めばいいのでしょうか。今回、コンビニ、スーパー、一流ホテルなど「プロ中のプロが選んだ牛乳」を管理栄養士の小山浩子さんが解説。ミルク研究家の小山さんが「納得」する理由とは?ジャーナリストの笹井恵里子さんが聞きました。(管理栄養士・料理家 小山浩子、構成/ジャーナリスト 笹井恵里子)

殺菌温度だけでない
牛乳の選び方

 前回、牛乳は殺菌温度によって風味が異なることをご紹介し、また殺菌温度が高温であるほどタンパク質が熱によって影響を受ける実験を行いました。

 低温で殺菌された牛乳は熱変性による影響が少なく風味豊かですが、半面、製造コストがかかる分、そこは価格にも反映されます。メーカーさんは消費者のみなさんに搾りたてに近い牛乳を届けたいという一心で日々業務に携わっているので、そんな思いを少しでも知ってもらえたらと思って殺菌温度についてお伝えしました。

 殺菌温度で勝負するメーカーがある一方で、大手メーカーの3社「明治」「森永乳業」「雪印メグミルク」は製法に力を入れています。加熱する過程で生乳に含まれている酸素が生乳中の成分を酸化させてしまうので、3社とも「加熱する際の酸化を抑えて風味を守る」ように工夫しているんですね。

 明治の「おいしい牛乳」は生乳を工場に受け入れた直後と、酸化が特に進む加熱殺菌前に酸素を追い出す、「ナチュラルテイスト製法」と呼ばれる方法を用いています。森永乳業の「森永のおいしい牛乳」は従来のステレンスの間に生乳を流し込むのではなく、生乳を蒸気で包み込み、瞬間的に加熱殺菌する「FTP製法」を用い、雪印メグミルクの「おいしい雪印メグミルク牛乳」は低温でやさしく酸素を除去してから殺菌する「低温脱気製法」で製造しています。

 そのほか、パッケージは光を通さない遮光タイプにしたり、厳選した酪農家さんから生乳を購入したりするなど、大手さんならではの工夫もしています。

ミルク研究家の私も納得
「プロ中のプロが選んだ牛乳」大公開

小山浩子氏小山浩子氏

 さて、これまで私はミルク研究家として、多くのメディアでたくさんの牛乳を紹介してきました。そんな私のおすすめ牛乳、好きな牛乳ももちろんあるのですが、今回は「プロ中のプロが選んだ牛乳」を中心に紹介したいと思います。それは私自身も納得するおいしい牛乳で、ほとんどの商品が全国どこでも入手できます。

 まずは「コンビニ編」の牛乳。私はコンビニで買える牛乳のすべての味見をしていますが、一押しはローソンにある牛乳です。ローソンといえば、青字に白のミルク缶マークがあるように、もともとは米国の牛乳店「ローソン」が発端となっていますよね。