これだけヘルメットを推しながら結局ヘルメットをかぶらないというオチは我ながら無責任ですさまじいと思うが、しかしヘルメット着用サイクリングがあれほど楽しかったとはついぞ知らなかった。

・ファッションとして楽しい(帽子を楽しむ感覚に近い)
・「頭部が安全に保護されている」という安心感……および優越感(他のサイクリストに対しての)
・自分の意識の高さ・気高さへの自己満足と陶酔

 これらを堪能することができた。大いなる発見であり、サイズの合うヘルメットはぜひとも欲しいので、また安い出物はないかとフリマサイトに張り付く日々を送っている。

来年から実施される
自転車向け青切符とは

 さて、来年4月1日から自転車への取り締まりが強化される。道交法上は軽車両という位置づけでありながらも実際は自由で歩行者の延長的な扱いだった自転車は、2008年の道交法改正によって原則車道通行が明確化された。

 しかし取り締まりは緩やかで、いくら「自転車は車の仲間」と言われてもむなしく響くだけなのが現実の道路事情であることは変わらず、結局なし崩し的に自転車はやはり便利で自由な(ときに無法な)乗り物として今日まで君臨したのである。

 昨年の11月の道交法改正で自転車運転中のながらスマホと酒気帯び運転の罰則強化にくわえ、違反者に対する青切符が導入されることとなり、この度17日の閣議で反則金の具体的な額が決まったので、さあ段階的に周知を勧めながらいよいよ来年4月からは本格的に取り締まっていくぞという構えを警察がみなぎらせている。

 青切符とは、自動車運転などにまつわる軽微な交通違反に対しておまわりさんから渡されるもので、一度でも手にしたことがある人ならあの紙が放つ憎たらしさがよくわかると思うが、あれが自転車利用者にも発行されることになる。

スマホ操作などの「ながら運転」:1万2000円
信号無視・逆走など:6000円
イヤホンで音楽・無灯火など:5000円
2台以上の並走・2人乗り:3000円

 ――などなどであり、こうして実際に数字を目の当たりにすると自分の財布の中にある1万円札や1000円札が今にも徴収される危機にさらされているような生々しい緊張感があって、自分の身を通してすでに取り締まりの効果は上がっているのかなと感じさせられるものがある。