
数々の市場の変化を経験しても、長い目で見ると常に成長し続けている株式市場。しかし、なぜそれが私たちの賃金に反映されないのか、疑問を感じないだろうか。会社員として株式投資で2億円を築いた人気ブロガーが、これからの社会を賢く生き抜くための投資と政治への向き合い方を解説する。※本稿は、斗比主閲子『ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。
コロナ禍でも株式市場は
年間を通して大幅なプラスに
多くのお金を投資に回し、資産が1億円を超えてくると、あることに気付きます。それは、投資資産はかなり高い成長率で増えて行くのに、自分の賃金は大して伸びていかないことです!
新型コロナウイルス感染症が蔓延した2020年は世界的に多くの人が失業し、賃金を減らしました。しかし、株式市場は一時的に下がったものの、年間を通してみれば大幅なプラスとなりました。
2023年度は世界的にインフレが起き、賃金も一定程度上がりましたが、株式市場はさらに上昇していました。
世界がこんなに景気低迷しているのに、株価はどこ吹く風で順風満帆なのです。
もう少し長期的目線で見ても、オール・カントリーに投資をしたら年利は10年で12.1%、日経平均でも年利は10年で7.6%なのに対し、日本の賃金上昇率は名目ベースでとんとんぐらい、インフレを加味した実質ベースではマイナスになっています。
日本の賃金上昇率が極端に低いのは有名なので参考にならないかもしれませんが、世界中で最も賃金が伸びているアメリカを見ても、S&P500(アメリカの代表的な株価指数)が30年で8倍になっているのに対し、賃金は3倍弱の増加です。3倍弱でも日本からしたら羨ましい数字ですが、アメリカでさえ、投資をしている場合と比較すると大して賃金が伸びていないわけです。