「都会の喧騒を離れてリフレッシュしたい」仕事人がこぞって向かう“ホット”な2つの街とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

慌ただしい日常生活から離れてリフレッシュしたい!そんなビジネスパーソンの注目を集めているのが「リトリート」。数日間、都会の喧騒を離れて疲れを癒やす体験のことをいいます。『ウェルビーイングの新潮流』第19回では、リトリートの場所として人気の2つの街の魅力を探ります。

ストレス社会の救世主?
「リトリート」が注目される理由

 日々たくさんの情報に触れて、ストレスの中に身を置いている現代人の多くが、心身の疲れを抱えがちです。そんなストレス社会に生きる現代人の新たなリフレッシュ法として、「リトリート」というアプローチが今注目を集めています。

 リトリートとは、数日間、住み慣れた土地での普段の生活から離れて、自然やリゾート地などで身体にたまった疲れを癒やす体験を指します。観光旅行のようにアクティブにその土地の名所などに訪れ、動き回るのはとは違い、日常を忘れて自然の中でのんびり過ごしリフレッシュすることを目的とします。

 リトリートの語源は「リトリートメント(retreatment)」で、本来は避難所や隠れ家の意味を持っていましたが、近年欧米では「日常生活から離れてリフレッシュする時間をもち、心身ともにリセットする」といった意味で使われていて、日本では「転地療法(療養)」とも言い換えられます。

 もともとは宗教的な意味合いがあり、日常生活を離れて自分と向き合う機会として考えられました。しかし、現代では、ストレス解消や自己啓発のためのアクティビティとして、より広くとらえられています。

 リトリートは、忙しい毎日を忘れて心と体を休め、日常の喧騒から離れ、自然の豊かさを感じながら、ゆったりと流れる時間のなかで、自分を見つめ直す機会です。

 これまでメンタルヘルス分野で推奨されていたのは、肉体の疲労を解消するレスト(Rest)、楽しいひとときを過ごし気分転換をするレクレーション(Recreation)、緊張をほぐすリラクゼーション(Relaxation)の頭文字をとった「3つのR」の考え方でした。

 しかし、ここ数年はさらにリトリートメント(Retreatment)が加わり、「4つのR」として認知されはじめています。

 リトリートがほかの3つのRと違う点は、自宅や日常的にいる場所で休息をするのではなく、普段いる場所から離れた場所で疲れを癒やすことです。