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「自分は不運なほうだ」と思っていても、運について深くまで考えた人は少ないだろう。実は運の正体を知るだけで、人生はよいほうに転がっていくのだ。しかも、不運な人ほど、そのチャンスが多い。科学と心理学を手がかりに、運の正体に迫っていく。※本稿は、ニック・トレントン著、桜田直美訳『「運のいい人」の科学 強運をつかむ最高の習慣』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。

なぜ人間はゲン担ぎを
やめられないのか?

 運とはそもそもどういうものなのか、そして、なぜ人々はこんなにも運を求めるのか。

 黒猫が前を横切っただけで、なぜそんなに気になるのか。応援しているスポーツチームの試合を観るときに、汚れて臭い「幸運の下着」を身につけるのはなぜなのか。

 私たちはみな、人生は自分の行動だけで決まるわけではないと、なんとなく信じています。

 よくも悪くも、偶然の要素に左右されることもある。そしてこの偶然の要素を、私たちは「運」と呼んでいます。運がよければいいことが起こり、運が悪ければ悪いことが起こる。

 運を信じる習慣はどんな文化にも存在します。有史以来、人類はさまざまな形で運を語ってきました。

 たとえば欧米では、昔から「落ちている1セント硬貨を見つけて拾ったら、その日はずっと幸運に恵まれる」と言われています。またアジアの国では、あらゆる飲食店の店先に、猫がこちらに向かって手を振っている像が置いてあります。

 いずれにせよ、ここで大切なのは、1セント硬貨や猫の像そのものではありません。人々にとってはるかに価値があるのは、幸運を手に入れるためにとにかく何らかの行動を取るということです。