「興奮している今、この瞬間に読み始める」という行動を取ることで、読書体験は格段に豊かになり、学んだ内容も心に深く刻まれるのです。
実際、5%社員(編集部注/筆者らが調査した、各企業で成果を出し続けるトップ5%の社員たち)の62%が、書籍を手にしたらすぐに読み始めるといいます。
ネットで購入した本が届いたら、まず真っ先に開封して、最初の数ページを読む。
このシンプルな行為が、学びを深める最適な状態を作り出すからです。
たった10ページでも、本の魅力を感じ取り、読み進めたいという意欲を高めるには十分。この小さな一歩が、読書習慣を築く上で大きな意味を持つというのです。
そして彼らは、この10ページを読み終えた後に、自分なりの読書計画を立てていました。1日に読むページ数を決めたり、読書の時間を日課に組み込んだり。自分に合ったペースで、着実に読書を続けていくことが大切だと強調します。
時には挫折することもあるかもしれません。でも、そこであきらめないこと。
読書から遠ざかっていた時間があっても、また本を手に取るだけでいい。そういった小さな習慣を作ることが大切だと教えてくれました。
5%社員たちは
「あとがき」を先に読む!?
5%社員は、ビジネス書を読む際に独特の方法をとっています。5%社員の32.1%は意外にも、「あとがき」から読み始めるのです。
一方、その他の95%の社員で「あとがき」から読む人はわずか2.3%。実に14倍もの差があることが明らかになりました。一体、5%社員はなぜ「あとがき」を先に読むのでしょうか。
その理由を探るべく、145名の5%社員にヒアリングを行ったところ、驚くべき事実が浮かび上がってきました。彼らは、読書をただの情報収集の手段としてではなく、著者との精神的な対話として捉えているというのです。
「あとがき」には、著者の深い思いや、書籍を書くに至った動機、そしてそのプロセスで直面した挑戦や成功体験が綴られています。
彼らは、まず「あとがき」を読むことで、著者との深い共感を覚えるのだといいます。そうすることで、本の内容をより深く、個人的なレベルで理解しようとしているのです。