つまり、彼らの多くは、頻繁に飛ばし読みをしているのです。

 限られた時間の中で読書をするには工夫が必要です。実際、すべての本を隅々まで読むことは不可能であると5%社員は考えています。

 そこで彼らが実践している「選読」という読書法を紹介します。

「選読」とは、本の中から特定の章や項目だけを選んで読む方法のこと。

 一般的な読者が全ページを通して読むのとは対照的に、彼らは自分にとって最も関連性が高く、直接的な価値を提供する可能性がある部分に焦点を当てて読んでいます。

 この「選読」の効果は絶大だといいます。限られた時間の中で最大限の学びを得ることができるだけでなく、ビジネスやキャリアにも具体的な影響をもたらすのだとか。

 たとえば、新しいマーケティング戦略を模索している社員は、ビジネス書のマーケティングに関する章だけを集中的に読み、その他の部分は概要だけを確認するか、完全にスキップするそうです。

 そうすることで、目の前の課題に対する解決策を迅速に見つけ出し、新しいアイデアを実践に移すインスピレーションを得られるというのです。

「選読」は、情報過多の時代を生き抜くためのスキルでもあります。

 膨大な情報の中から、自分にとって重要なものだけを選び取る。5%社員は、すべての情報が等しく重要ではないことを認識し、自分の目標達成に直接貢献する情報にのみ時間を投資するのだそうです。

「選読」とは
自律的な学習スタイル

 でも、ここで大切なのは、「選読」は単なる情報の取捨選択ではないということ。

 彼らは自分自身の学習ニーズを正確に把握し、自分にとって最も価値のある情報源を能動的に選択しているのです。つまり、「選読」は自律的な学習スタイルの表れでもあるのです。

 この自律学習は、新しい知識をより深く理解し、自分のビジネス環境に適応させる能力を高めてくれます。