本屋にいる女性写真はイメージです Photo:PIXTA

自己成長やキャリアアップを目指すビジネスパーソンにとって、避けて通れないとも言える必修科目が「読書」だ。仕事がデキる人は、多忙な日々の合間を縫ってどんな本を選んでいるのだろうか。1万7000人のビジネスパーソンをAI分析してわかった、最も効果的な読書術を解説する。※本稿は、越川慎司『AI分析でわかったトップ5%社員の読書術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

偶然出合った本は
新しい発想をくれる

 5%社員(編集部注/筆者らが調査した、各企業で成果を出し続けるトップ5%の社員たち)が実践している「セレンディピティ5対2の法則」を紹介します。セレンディピティとは偶然の幸運に出くわすこと。この法則は、彼らが「本の選び方」に用いている興味深い方法論です。

 その内容は、自分の専門分野や直面している課題に対応する本を5冊選び、残りの2冊は偶然の出合いや新しい分野の本を選ぶというものです。一見シンプルに見える法則ですが、実は知識の深化と拡大を同時に促進する効果的なアプローチなのです。

 まず、専門分野や課題に合う5冊の選書について考えてみましょう。これらの本は、自分の業務やキャリアに直結する情報を得るために不可欠です。いわば「答え合わせ」のようなものであり、自分の知識を深化させ、専門性を高めるための確実な方法と言えるでしょう。

 しかし、ここで多くの人が陥りがちな落とし穴があります。それは、自分の専門分野だけに偏った読書をしてしまうことです。専門知識を深めることは大切ですが、そればかりに注力していると、視野が狭くなってしまう恐れがあります。

 新しいアイデアや発想は、往々にして異なる分野との交流から生まれるものです。