「玄米は健康によい」と広く知られているとおり、白米よりも栄養価が高く、摂取するメリットが非常に多い食品です。玄米には、自律神経の働きを助けるマグネシウム、ビタミンB1やB2、そしてB6などが白米よりも非常に多く含まれています。

 さらに、食物繊維の量も豊富で、なんと白米のおよそ6倍(とくに不溶性食物繊維)も含まれています。不溶性食物繊維は便の量を増やすことにより便通を促したり、腸内環境を整えたりする働きがあります。

書影『0.75倍速健康法』(工藤孝文、フォレスト出版)『0.75倍速健康法』(工藤孝文、フォレスト出版)

 ゆっくりと噛んで白米とは異なる食感を楽しめば、副交感神経の働きが優位になるだけでなく、腸内環境の改善も期待できるでしょう。

 ただし、玄米は胃腸の負担になりやすいので注意が必要です。玄米は白米と比べて食物繊維が豊富に含まれているため、消化に時間がかかります。とくに胃の機能が低下している人や子どもが食べると、胃痛などの症状が発生するケースも見られます。

 胃腸が弱いときに玄米を食べる場合は、水分を少し多くして柔らかく炊くことや、白米を食べるときよりもしっかりと噛んでから飲み込むことが重要です。

 もし噛むことに自信がない場合や、子ども・高齢者が食べるときには、発芽米や5分づき米などのちょっと精白したお米にすると安心です。