また、せっかくドラマや映画を観ても、ただ眺めているだけの状態になってしまい、何の感想を持たずに視聴を終えることになりかねません。さらに、つねに早口なナレーションやセリフが耳に入ってくると、非常にせかせかとした気持ちになり、新たな倍速行動を生み出す原因にもなりそうです。
0.75倍速で動画を視聴し
スローテンポの音楽で散歩しよう
もちろん、ストーリー性のある動画を0.75倍速にすると、テンポがずれて楽しめなくなってしまうため、必ずしも映画やドラマをスロー再生にする必要はありません。私がとくに0.75倍速での視聴をおすすめしたいのは、ストレッチなどの身体を動かす動画です。
YouTubeなどにアップされているストレッチ動画を0.75倍速にすると、筋肉の細かな動きを確認できます。今までは機械的に行なっていた動作も、「このストレッチをする際は、もっと脇腹を伸ばすことに注意を払ったほうがよいのかもしれない」といった新たな発見に繋がります。
さらに、0.75倍速で身体を動かすと、呼吸もスローペースになるため、自然と副交感神経が優位になり、気持ちを落ち着かせることもできます。
そのほか、スポーツの実況動画を0.75倍速で視聴することも効果的です。たとえば、素早いボール回しが醍醐味のサッカーを、あえて0.75倍速で視聴すると、「あんな角度から足を出してボールを蹴っていたのか!」とか、「パスの受け手はあんなに遠くから走ってきたのか!」といったように、今まで見過ごしていたものがはっきりと見えることがあり、まるで自分がサッカー通になったような気分が味わえます。
スローテンポの音楽を聴きながら散歩をすることも、日常生活に取り入れやすい0.75倍速行動の1つです。音楽のテンポは心身に影響を与えることがわかっており、速いテンポの曲を聴くと交感神経が優位な状態に、遅いテンポの曲を聴くと副交感神経が優位な状態になる傾向にあります。
運動会の定番曲である『天国と地獄』という曲を聴くと、なんだかテキパキと動かなくてはいけないような気持ちになりませんか?反対に、落ち着いたクラシック音楽を聞くと、ゆったりとした気分になる人が多いでしょう。