「レシピ通りに作ったのに、なんだかおいしくない……」そんな経験はありませんか? それは、レシピをシンプルに見せるために、「料理上手なら感覚でわかる」と省かれた大切なポイントがあるからかもしれません。書籍『レシピ未満のおいしい食べ方』では、これまでのレシピ本には書かれなかった、「料理をおいしくするためのコツ」やポイントをわかりやすく解説。さらに、ひとつの食材で作れる料理、火を使わずにできるもの、直感的に作れるシンプルな調理法など、「レシピと呼ぶには簡単すぎる」食べ方を通じて、一生モノの「料理の秘訣」が身につきます。今回は旬のなすのおいしい食べ方を紹介します。(監修/料理研究家・管理栄養士 藤井恵)
旬のなすが一瞬でごちそうに!

旬のみずみずしいなすは、生でもおいしく食べられます。
ちょっと驚かれそうですが、私がよくやるのは、丸ごとのなすに直接しょうゆを入れてもむ方法。
なすは皮がかたくて味が入りにくいのですが、こうすると少量のしょうゆでもしっかりなじみます。
さらに、なすから出たおいしい水分としょうゆがなすの中で適度に溶け合い、いい塩梅の浅漬けになるのです!
なすのヘタとガクを外したら、上から菜箸をぐっと差し込んで穴をあけます(突き抜けないように気をつけて)。
切り落とした表面よりやや少なめにしょうゆを注いだら、あふれないように、やさしくもみもみ、もみもみ。
食べやすい大きさに手でちぎり、練り辛子を添えてどうぞ。
レシピ通り作ったのにうまくできない……という人は、サラッと書かれている調理法が、プロにとっては簡単でも、自分にとっては難しいということに気づいていないのかもしれません。「これは、こういうもの」と思わず、もっと簡単にできる方法はないかな? と自分に合う作り方を探してみるといいでしょう。藤井恵さんのレシピが「どんな人でも上手に作れる」と言われるのは、おいしいだけではなく、簡単で、誰もが失敗しづらく、時短になり、しかも必要な栄養素を効率的にとれる料理になっている? と常に考えられているから。レシピとは言えないくらい簡単なコツを知るだけで、驚くほど料理上手に近づけますよ!