『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした、どんな学生でも内定に近づく一冊です。「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載です。今回は、面接官が好印象を抱いた就活生の「逆質問での行動」について著者である「就活マン」こと藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

面接 逆質問Photo: Adobe Stock

「面接の逆質問でメモを取るべきですか?」

これまで8年間、2000本の就活記事を書いてきたので、就活生から様々な質問をしてもらえる機会がありました。そんな中で、1つ「面接の逆質問でメモを取るべきですか?」という質問を受けたんですよね。

結論、スマートにメモを取ることを僕はおすすめします

この時、注目したいのが「スマートに」という点と、「メモを取るのがおすすめ」という2点。

まず面接官との会話を止めないとメモを取ることができないなら、メモを取らないで大丈夫です

「メモを取らないと!メモを取らないと!」とメモを取ること自体が目的化してしまい、メモを取り出すのが遅かったり、面接官が話している時に一切、顔を合わせずただメモを書くことに夢中になってしまうといけません。これでは「コミュニケーション力がない」「必死すぎる(あまりに不器用すぎる)」というマイナスな印象を持たれるからです。

一方で、逆質問したらスムーズに胸ポケットからメモを取り出して、面接官のことをしっかり見ながら、“本当に必要なポイントだけ”をメモするなら、それは非常に良い。なぜなら「メモを取る」という行動は、誠実さや真面目さを相手に伝えることができるからです。

これらは面接官の立場に立てば、分かりますよね。

あなたが面接官で、就活生に「何か質問はありますか?」と聞くとします。この時に「ありません」と言われたら、「ああ、調べてこなかったんだな。うちの会社に興味がないんだな」と思います。

次に、逆質問をしてくれた。それに対してあなたが回答をしている時、すっとメモを取り出して、必要なポイントだけ真剣にメモしているとどうでしょうか。

きっとあなたは心の中で、「おお!しっかりと話を聞いてくれて、真面目な就活生だな」と思うでしょう。

就活には正解はありません。

あるのは、人事側の立場に立ったうえでの仮説のみです。「『自分が人事だったら』『自分が面接官だったら』…こう答えてくれると評価するだろうな。その仮説を丁寧に立てて、実行することが重要です。

逆質問をメモする時におすすめのノート

逆質問はスマートにメモすることが大切だと話してきました。それを実現するために、まずおすすめなのが「小さめのノート」を持っておくことです。

僕は散歩が趣味なのですが、そのときに浮かんだアイデアをすぐに書けるよう、小さめのノートをポケットに入れています。これだとノートを取り出して、ペンをすっと引き抜いて、すぐに書き込むことができます。

面接中や会社説明会などでは当然、スマホを取り出すのは絶対に避けるべきなので、こうしたアナログのノートは就活中、常に持っておきたいですね。

「なぜスマホでメモを取るのはだめなの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

これも人事の立場に立てばすぐに分かります。

あなたが会社説明会で説明している時に、スマホをいじっている人がいたら、面接なのにSNSをいじっているのかと勘繰ってしまい嫌ですよね。

スマホは「何をしているのかが他者から分からないデバイス」なので、印象が悪くなってしまいます。一方で、ノートは誰が見てもメモを取っているとわかるので、むしろ好印象を与えることができるのです。

就活は「人事への憑依(ひょうい)」がポイント

今回の記事でも、とにかく人事の立場に立って考えることを話しました。拙書『脇役さんの就活攻略書』でも、これを「人事に憑依する」という言葉で説明しています。

高校受験や大学受験の一般入試は、テストの点数がすべてでした。良い点数が取れれば、どんなに性格が悪かろうが受かりますよね。

一方で、就活に絶対の正解はありません。A社の人事は良しとすることも、B社の人事は評価しないかもしれない。

だからこそ、人事に憑依して立てた仮説を検証する。それが外れたら「その人事とは相性が合わなかっただけだ」と考えるようにするのがおすすめです。

あなたの就活の成功を、心から祈っています。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです