マティスの一般原則の6「戦闘開始直後の5日間を生き延びる訓練をすること」
この5日間は最も危険だ。その訓練をしろというのはいいが、最初の5日間のための訓練がそのあとの5日間のための訓練、あるいは最後の5日間のための訓練とどう違うのか、わたしにはよく分からなかった。それに、前回イラクと戦った湾岸戦争の記憶から、海兵隊員の多くは戦争が5日も続くとは思っていなかった。

マティスの一般原則の7「最後に、自分がいなくても家族がやっていけるようにしておくこと」
それが今回の軍事展開の間だけなのか、それとも一生なのか、マティス将軍からの説明は一切なかった。おそらく両方だろう。わたしの生命保険は有効だし遺書もあるが、念のため大事な人たちには手紙を書こうと決めた。
マティス将軍は師団全体への指示で話を締めくくった。第1海兵師団の隊員は誰ひとりとして、歩兵上等兵に認められている私物以外の物を持っていかない。キャンプ用ベッドも、コーヒーポットも、ゲームボーイも、CDプレーヤーも、衛星電話もなしだ。ダブルスタンダードはない。全員が地面で寝て、全員が日々の苦労を同等に背負う。スパルタ式の考え方だ。それでこそマティス将軍だ。わたしは嬉しくなった。