朝起きられないことから、「さぼり癖」とか「怠けている」と思われ、なかなか理解されない病気ですが、重症化すると生活が困難になる可能性も。症状が続く場合は、必ず医療機関を受診しましょう。

自律神経のリズムを整える
体内時計のリセットは朝だけ

 自律神経を安定させるためには、規則正しい「リズム」がとても大切です。自律神経は日中には交感神経が活発に働き、夜には入れ替わりに副交感神経が優位になります。このサイクルが一定のリズムで回っていくことが理想的だからです。とはいえ、自律神経は自分の意思ではコントロールできません。では、自律神経のリズムをコントロールしているのは何かというと、私たちの体の中に備わる「体内時計」が密接に関係しています。

 朝になるとすっきり目が覚めて、夜は自然に眠くなるという体のサイクルを管理しているのが体内時計です。自律神経のサイクルも体内時計のサイクルにあわせてリズムを刻んでいます。そのため、夜更かしをしたり、朝遅くまで寝ていたり、食生活が不規則だったりして体内時計が狂うと、同時に自律神経のリズムも乱れてしまうのです。

 そもそも人間の体内時計の周期は約25時間。対して地球の自転周期は約24時間と1時間のズレがあります。通常は日常生活の中でズレを修正しながら体内時計は一定のサイクルを保っています。ところが、不規則な生活をしていると修正できずにズレが大きくなり、自律神経もますます乱れることに。

 体内時計のズレをリセットする最もよい方法は、朝起きると同時にカーテンを開け、日光を浴びること。さらに朝食をとることで腸が動き出し、血の巡りがよくなって体が自然と目覚めてくれます。