「レシピ通りに作ったのに、なんだかおいしくない……」そんな経験はありませんか? それは、レシピをシンプルに見せるために、「料理上手なら感覚でわかる」と省かれた大切なポイントがあるからかもしれません。書籍『レシピ未満のおいしい食べ方』では、これまでのレシピ本には書かれなかった、「料理をおいしくするためのコツ」やポイントをわかりやすく解説。さらに、ひとつの食材で作れる料理、火を使わずにできるもの、直感的に作れるシンプルな調理法など、「レシピと呼ぶには簡単すぎる」食べ方を通じて、一生モノの「料理の秘訣」が身につきます。今回はお味噌汁。簡単においしくできるコツを紹介します。(監修/料理研究家・管理栄養士 藤井恵)

実は、切らない方がおいしい!

レシピ未満のおいしい食べ方Photo: Adobe Stock

汁ものに豆腐を入れるとき、私は包丁を使わず、手で崩しています。

こうするほうが、味がよく入り、ふるっとしてやわらかく、舌なじみもいいのです。
これは絹豆腐でも、木綿豆腐でも同じです。

入れるタイミングは、お味噌汁なら味噌を溶いた後です。鍋の上で崩しながら加えたら、豆腐をじっと観察。豆腐がふるふるとふるえてきたら、仕上がりの合図です。
それを超えるとかたくなってしまうので、そのタイミングを見逃さず、ササッと器によそいましょう。

豆腐の水きりについてワンポイント。
汁ものに入れるときも軽く水きりしたほうが、豆腐の味がギュッと凝縮しておいしく仕上がります。

容器の底にペーパータオルを敷くか、バットなどにのせて冷蔵庫にひと晩置くと、ほどよく水きりできますよ。

レシピ通り作ったのにうまくできない……という人は、サラッと書かれている調理法が、プロにとっては簡単でも、自分にとっては難しいということに気づいていないのかもしれません。「これは、こういうもの」と思わず、もっと簡単にできる方法はないかな? と自分に合う作り方を探してみるといいでしょう。藤井恵さんのレシピが「どんな人でも上手に作れる」と言われるのは、おいしいだけではなく、簡単で、誰もが失敗しづらく、時短になり、しかも必要な栄養素を効率的にとれる料理になっている? と常に考えられているから。レシピとは言えないくらい簡単なコツを知るだけで、驚くほど料理上手に近づけますよ!