
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。
このところ国内外の有力投資ファンドらが「物言う株主」として、製薬各社の旧態依然とした経営ぶりを次々と白日の下に晒していっている。外圧を受けないと変われないというのは昭和の時代から繰り返されるニッポンの宿痾であるが、逆説的に捉えれば、そうした株式市場のハイエナたちに“可愛がられる”のは、もしかすると幸運かもしれない。
慌てて取り組む改革が付け焼刃的であったとしても、少なくとも淀んだ社内の空気を撹拌し、十年一日の如く変わらなかった権力勾配を緩やかにする可能性が出てくるからだ。結果如何によっては企業価値も向上しよう。しかしこれが、ファンドすら見向きもしない会社となると問題は根深い。提言しても要は、「改善」が期待できないと見放している証しとなるからだ。経営陣は胸を撫で下ろすだろうが、社員は早めに荷物をまとめて、別の会社に移る準備を始めるべきだと進言したい。
そんなファンドのほとんどが「跨ぐ」企業のひとつがアステラス製薬だ。