アステラス製薬経営陣への“信頼低下”を世にさらした「社員調査」、有名コストカッターが仕掛け人Photo:PIXTA
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 アステラス製薬の経営陣が社員からの「信頼」を失いつつある。同社が全世界の社員を対象に実施した会社への信頼感や貢献度を調べた「グローバル・エンゲージメント・サーベイ」の結果が明らかとなった。それによると24年10月時点のスコアは前年同月に比べ、2ポイント減の69点と低下。内訳の計27項目のうち「コミュニケーション」関連が大幅に下がった。とくに注目されたのが「私は経営陣を信頼している」で、2ポイントマイナスという結果に終わった。

「コストカッター」の副社長

 この調査結果は2月21日に同社が開催したサステナビリティ・ミーティングで公表されたもので、岡村直樹社長CEOは「嬉しいかと言われれば嬉しくない。非常に真摯に受けとめている」と語り、改善策を練ることを誓った。社長としても少なからずショックなようだが、当然の結果だったとも言える。

 調査は22年から導入したもので、今回が3回目となる。アステラスは、「経営計画2021」(21~25年度)を達成するため、人材育成に力を入れており、その一環として「組織健全性目標」を掲げている。調査は目標達成に向け人材が育っているのか、世界各国の社員を対象に実施した。人事業界で最近流行りの「エンゲージメント調査」のひとつで、社員と企業とのつながりの強さを把握するものだ。