大企業就職だけが幸せへの道なわけじゃない

――理解できました。国公立大学はどうしてですか?

びーやま:国公立大学の評価が高い理由は明確で、基礎学力が高いからです。

 国公立大学の学生は文理の科目両方をカバーし、推薦なども多くはありません。そうなると大学生全体で考えたときの基礎学力は高く、優秀であると言えますから、企業からの評価も必然的に高くなります。

――たしかに、国公立大の学生の基礎学力は高いでよすね。

びーやま:そうなんです。

 ただ、MARCHも一部の国公立もむずかしいのは、あくまで学歴フィルターを突破できるだけということです。

 超名門企業となれば、フィルターを突破したところで、その先にいるのは旧帝大・一橋大・東京科学大・早慶のようなトップ大学ですから、最終的には個性勝負になるんじゃないかと思います。

 なので、ますはスタートラインに立てる権利があると考えるのがいいでしょうし、その権利は個人単位で見ればほかの大学でも当然あります。

 なので、身も蓋もないですが、学歴フィルターはあまり気にしなくていいんじゃないかなと。

――でも、学歴フィルターで落とされることを考えたら気にもしてしまいますよね。そのあたりはどうですか?

びーやま:それはそうなんですが、僕が毎回思うのは、学歴フィルターをなんとか潜り抜けて大企業に入社するのがそんなにいいことなのかということです。

 大企業や財閥系ともなれば、ある程度の学閥はあるわけで、社長輩出大学はある程度限られます。そのような環境で新卒から入ったところで、もしかすると会社の中心的な仕事には関われないかもしれません。

 そう考えたら、ちゃんと自分が中心でいられるようなレベルの会社に入って20代のうちはスキルアップに専念したほうがいいかもしれないですよね。

 しかも、今の時代は転職全盛ですから、スキルアップしたのち、20代後半や30代でもともと第一志望だった大企業に転職なんてことはめずらしくありません。しかも、その際にスキルもあれば、実績だけで勝負できますから、いいポストでの転職も可能でしょう。

 大企業に入ることはいいことですが、それだけが幸せではないということも頭の片隅に入れておいていただけるといいかなと僕は思います。

――たしかにそういったことは視野に入れたほうがいいかもしれませんね。

びーやま:学歴フィルターはあくまで、就職希望人数が多すぎるがゆえに仕方なく見ているものであって、絶対的なものではありません。

 そういったものは意識しつつも踊らされすぎないようにしてほしいです。

――大変勉強になりました。ありがとうございました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。